実践節電術 3.節電を強化するための便利グッズ
断熱フィルムは、遮熱シート・断熱シートとも言われています。
大掛かりなものですと、屋根の下地や外壁の下地にとりつけ、日光の熱を遮るものもあります。
窓ガラスは、熱を帯びるとその熱を温度の低い室内に放射しようとしますので、夏の節電は窓ガラスが熱せられる温度をいかに上げないかがポイントになります。断熱フィルムは窓ガラスに直接張ったり、サッシの枠に2重窓を作るように張付けて、太陽からの熱をはねかえし、室内の室温上昇を抑えます。
窓ガラスの遮熱はよしず・すだれ・雨戸・遮光ネットなど、窓の外から影を作る遮熱グッズが効果的ですが、住宅環境や見た目の問題などで窓の外からの対策が難しい場合、遮熱はしたいが、採光はあまり妨げたくない場合、この窓ガラスに直接はれる遮熱フィルムはとても便利です。
素材はポリエステルが主流で、なかに遮熱用の金属(アルミなど)の粒子が含まれているものほど日射反射率は高いとされています。日射反射率が高く、かつ透明度の高いものほど値段は高いです。
自分で貼る事のできる手軽なものから、業者に断熱効果のある接着剤で施行してもらう物まで、種類は様々です。
断熱フィルムの種類
水で簡単に貼付けられるもの、接着剤のついているもの、粘着テープで貼付けるものなどがあります。
水張り タイプ |
窓ガラスとシートに水を霧吹きで吹き付け窓に直接貼付ける事ができます。 濡れている間は張り直しが可能。 表面がでこぼこのガラスや磨りガラスには装着ができない 強い力や風にさらされるとはがれやすい(水で再装着は可能) |
接着剤を使う タイプ |
専用のスプレーのりや両面テープで固定して使うタイプ。 表面がでこぼこのガラスや磨りガラスにも装着できる はがすときにはフィルムはがし剤などが必要 |
窓枠に貼る タイプ |
窓ガラスのサッシの枠を利用して、2重ガラスのような状態を作るタイプ。 ガラスの種類は選ばないが、窓を開けても風通しはないので、冬向き。 |
購入時の注意点
断熱フィルムと言っても種類は様々です。また、夏と冬では断熱といっても遮断したい光線の種類が違います。断熱の目的が違うため使い分けをされる方が好ましいです。断熱効果はよく以下のような表記であらわされていますので購入の際は用途や季節に合わせて探されると良いでしょう。
日射反射率 | ガラスで反射される太陽のエネルギー量の事で、%で表示されます。 この%が高いフィルムほど遮熱効果が高くなります。 夏の節電対策には、日射反射率が高いものが効果的です。 冬の節電対策には日光からの暖かさが期待できないので低いものが効果的です。 |
日射透過率 | ガラスを透過する太陽のエネルギー量の事で、%で表示されます。 この数値が低いフィルムほど遮熱効果が高くなります。 |
日射吸収率 | ガラスが吸収する太陽エネルギーの量の事で、%で表示されます。 この数値が高いほどフィルムに熱を帯び、フィルムや貼付けた窓ガラスの温度は高くなります。 冬の寒さ対策や結露防止には効果的ですが、夏はガラスに熱を帯びやすくなるため、室内に熱が放射されたり、ガラスの熱割れ※に影響します。 |
可視光線透過率 | 室内に入ってくる太陽光の明るさのことで、%で表示されます。 数値の低いものほどまぶしさを抑えます。 部屋を明るく保ちたい場合は可視光線透過率が高いものを選ばれると良いでしょう。 透過率がおおよそ50%以上であれば暗さは感じません。 |
おすすめの 使い分け |
夏…日射反射率 が高く、日射透過率・日射吸収率が低いもの 冬…日射反射率 が低く、日射透過率・日射吸収率が高いもの |
断熱フィルムは基本的に窓の内側から貼るので、外側のガラスの温度はあがります。
そのため熱割れ現象※をおこしやすいワイヤーが入ったガラスや二重ガラス、既に熱反射加工をしているガラスには貼れないという表記のものがありますので、利用条件は必ず確認してください。
※熱割れ現象
窓ガラスは、太陽の熱で破損する事があります。これを「熱割れ現象」といいます。
太陽の熱にさらされた部分のガラスが熱で膨張し、サッシに隠れた部分や日陰になった部分の温度の低い膨張していないガラスとがお互いを引っ張り合い、その温度差が開きすぎる事でガラスの強度を超えてしまい割れてしまう現象です。
これはワイヤーが入ったガラスでも起こりやすい現象で、ワイヤーは金属のため、熱を帯びたワイヤーとガラスとの温度差が開きすぎた場合にもおこります。
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