不要木材を燃料に、市民全員をまかなえるだけの電力を生み出す発電所。
稼働1年を迎えるというニュースです。
高知県の宿毛市(すくもし)にある株式会社グリーン・エネルギー研究所のバイオマス発電所は2014年11月に発電プラント完成。
四国初の木質バイオマス専焼の発電所として、2015年2月に正式運転を開始しています。
2015年中に約11万トンの木材を燃料に、一般家庭1万3千世帯分の使用量に相当する約5千万キロワット時の電力を生み出し、四国電力や東京の電力販売会社に売電した。
バイオマス発電とは
バイオマス発電
バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称。
バイオマス発電では、この生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電します。
技術開発が進んだ現在では、様々な生物資源が有効活用されています。
CO2を吸収して育った植物を燃やして排出されるCO2はプラスマイナスゼロということから、地球温暖化防止のための国際会議「京都議定書」ではバイオマス発電がCO2を排出しない発電方法と認められています。
ペレット燃料 + 発電
株式会社グリーン・エネルギー研究所は森林資源を有効活用するために「ペレット燃料」を製造する会社としてスタート。さらにペレット原料としても使えなかった枝葉などを活用するためにバイオマス発電所を開始しています。
宿毛市(すくもし)には人口約21,000人、約1万世帯の方が住んでいるそうで、グリーン・エネルギー研究所が昨年一年で発電した電力は、宿毛市の全世帯数をまかなえる以上というのは驚きです。
木材の需要を押し上げ、雇用創出、林業を復活させるのが目標という、グリーン・エネルギー研究所取締役、永野正朗さんは関連会社「相愛」のブログでこう語っています。
2016年からは、一般家庭でも電力供給会社を自由に選べる「電力自由化」が行われます。2020年には発送電の分離も予定されています。
やはり、この地域の方たちには、遠くから輸入した化石燃料で発電した電気ではなく、「地元の木で発電した電気を使いたい」と言っていただけるようにしたいですね。