福島産スギを燃料に、タケエイ、バイオマス発電建設へ。
廃棄物処理のタケエイは福島県田村市で福島県産のスギを燃料にしたバイオマス発電所を建設する。発電能力は6800キロワットで、2019年をめどに東北電力などに売電を始める。総事業費は35億円となる。
「株式会社タケエイ」さんは東京港区を本社とする廃棄物処理を行なう会社。
廃棄物の収集運搬から再資源化・最終処分まで一環処理システムを構築しているのが業務の特徴。
2011年の東日本大震災発生以降は東北地域(岩手県、宮城県、福島県)においての災害廃棄物の処理・リサイクル事業に取り組んできた企業でもあります。
第1号発電所は青森に、りんごの剪定枝で発電。
タケエイ・グループとしては、すでに木質バイオマス発電事業に参入。第1号は青森県平川市に、第2号は岩手県花巻市に拠点をかまえています。
すでに青森県の「株式会社津軽バイオマスエナジー」では2015年12月1日より売電を開始。順調に稼働しているということです。
[PDF] 株式会社津軽バイオマスエナジー 売電開始のお知らせ
平成27年12月には、津軽地方の豊かな森で発生する間伐材や、名産品のりんご栽培で生じた剪定枝を燃料とするバイオマス発電が開始されます。これらは今まで「いらないもの」として取り扱いに困っていたものでしたが、これからは自然にやさしいエネルギーを創る燃料として有効活用されます。
地元の未利用木材を使って作られた電気は、地元を中心に供給していく予定となっており、「エネルギーの地産地消」が実現します。
植物を燃やして排出されるCO2は、そもそも植物が育つ際に吸収したCO2であることから、CO2を排出しない発電方法として注目されるバイオマス発電。
バイオマス発電の欠点としては、安定した木材等・原料の調達ですが、タケエイグループがもっている廃棄物の収集運搬のノウハウを最大限に生かし、処理に困っていた地元の間伐材や、津軽特産のりんごの栽培過程で発生する剪定枝(せんていし)の有効活用に成功しているということです。
第3号は福島県内のスギを活用。地元の雇用にも貢献
株式会社タケエイは福島県田村市におけるバイオマス発電事業参入を目的に発電事業第3号となる「株式会社田村バイオマスエナジー」を設立。
2019年の売電開始を予定し、プロジェクトをスタートしたということです。
[PDF] 福島県田村市におけるバイオマス発電事業参入に関するお知らせ
福島県内のスギを活用する。地元の木材製造業者で未利用の間伐材をチップに加工する。バイオマス発電の燃料として年間約9万トンを投入する。
稼働から2年目には年間12億〜14億円の売電収入を見込む。電気や発電の際に出る廃熱は今後新設する植物工場にも使う。同事業全体で30人程度を新たに雇用する計画だ。
タケエイ「田村バイオマス」が行なうのはあくまで発電・売電の部門で、燃料は林業に携わる人達や生産加工をおこなう地元の企業からの買い取り。
積極的に地元から燃料を買い取るというシステムを構築することで、地元の雇用を促進するねらいもあるということです。
さらに、発電された電気や熱を有効活用するため、植物工場を建設し農産物の生産を行ない、安定的に市場に供給するとともに、高齢者や主婦層を中心に、地元の雇用に貢献できる取り組みについても検討してまいります。