ローソン「からあげクン」の廃油を「バイオマス発電」にリサイクル活用。

ローソンが「からあげクン」「黄金チキン」などを揚げた油を再利用して、お店で使用する電気をお店で発電するというニュース。

今月から店舗実験が実際に始まるそうです。

コンビニ大手ローソンは、「からあげクン」などの揚げ物を店頭で調理する際に出る廃油から電気をつくる「バイオマス発電」に乗り出す。業界初の取り組みで、太陽光発電などと組み合わせると、外部から買う電力を従来より約7割減らせるという。

ローソンは2月5日、バイオマス発電の1号店として、兵庫県姫路市に「夢前(ゆめさき)スマートインター前店」を開く。からあげクンなどの調理に使った油を各店から集めて工場でバイオディーゼル燃料に加工。店に戻して発電機で使う。

姫路の1号店では、電気料金が高く電力使用量も多い午後1~5時にバイオマス発電を使い、店の消費電力の2割に当たる年間3万6千キロワット時をまかなう。

朝日新聞デジタル 1月31日配信記事「からあげクン発電? ローソン、廃油を燃料化して活用へ」より

バイオマス発電とは?

バイオマス発電とは生物系の燃料(木屑や生ゴミなど)を燃やすなどして発電する仕組みだそうで、菜種や大豆を原料とした「サラダ油」もバイオマス発電の燃料に含まれます。

石油等を燃やして電気を作る「火力発電」となにが違うのか?

バイオマス発電は「カーボンニュートラル」というCO2のリサイクル理論にもとづいた発電ということです。

カーボンニュートラル

バイオマスは燃焼すると当然CO2を排出しますが、もともとそのCO2は植物などが成長する過程で、大気中から吸収したものであり、トータルとしてCO2の量は変化しないという考え方です。

つまり、大気→植物→大気 となるので、もとに戻るだけということになります。化石燃料も同じようにCO2を排出しますし、もとはといえば、古代の植物や動物が変化したものです。

ただし、これは数億年も前に吸収されたCO2であり、現代の大気に放出することは、太古の昔に封印された二酸化炭素を現在の大気に放出して、CO2を増やしているということになります。バイオマスは、現在の大気中のCO2を吸収し、現在の大気に放出されるのでCO2の実質の増加にはつながらないということです。

SBエナジー株式会社「エネルギー用語辞典」より

参考資料:SBエナジー株式会社「バイオマス発電のしくみ」

バイオマス発電の1号店となる姫路市のローソンでは、導入した省エネ型の冷凍冷蔵庫やLED照明と組み合せ、さらに屋上に設置した「太陽光パネル」からの電気によって2010年の平均電気使用料と比べ「7割減」になる計算だそうです。

この店舗では他にも「太陽光発電システム」「CO2冷媒冷凍冷蔵機」「LED照明」など 12の創エネ設備・省エネ施策を導入しており、従来の店舗に比べ大幅に消費電力量が削減可能です。

ローソンは今後、実験データを既存店舗への新設備導入や新規設備の開発に活かし、更に環境に配慮した店舗づくりを目指してまいります。

<参考資料>兵庫県姫路市に最新環境配慮モデル店舗オープン:ローソン・ニュースリリース2016年2月1日

バイオマス発電のデメリットとして初期投資が高額であることと燃料の安定調達が難しいということですが、

コンビニだけでなく、他の業界から出る廃油も活用する。

全国の店から廃油を回収するシステムはほぼ構築済み。

ということで、ローソン各店舗がそれぞれ「小さな発電所」となり、自家発電でまかなえる日もそう遠くないのかもしれません。

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