電気ポットは使いたいときにいつでもお湯が使える便利な家電ですが、機能上、1日中通電し、設定温度をキープする為に自動でわかし直しをする関係上、案外電気を使う家電です。
平均的な電気ポットの容量を2.2リットル、沸騰時の消費電力(平均)1,000W、保温時の消費電力(平均)を35Wとして、一般的な使い方(24時間通電、1日2回沸騰させる)をしたと仮定して換算しますと、電気代換算で1ヶ月約920円ほどもかかっています。
これは、50Vプラズマテレビを1日平均4.5時間見た場合の1ヶ月の電気代とほぼ同じです。
ご自身の生活のリズムに合わせて、使い方を調節する事で高い節電効果が見込める家電です。
使わない節電
電気ポットを使わない
極端ですが、いちばん効果的な節電方法です。
上記の平均的な電気ポットの平均容量2.2ℓをガスで1日2回沸騰させた場合、1ヶ月のガス代は約180円ですので、節電できる上に、光熱費を削減できます。
ちなみにコップ1杯分(200㎖)の水を沸騰させる為にかかる料金は、ガス…約0.6円、電子レンジ…約1.4円、電気ケトル…約0.5円、電気ポット…約2.8円、となりますので、お湯の利用回数が少ない場合も1杯分ずつガスでわかした方が節電にもなり節約もできます。
魔法瓶・保温ポットを活用
たとえば、赤ちゃんのミルクのように、1日中お湯が必要な家庭であれば、一度やかんで多めに沸かし、魔法瓶などの保温ポットを使われると良いでしょう。
魔法瓶などの保温ポットには、「○時間/○℃以上」など、保温の条件が表記されて販売されていますので、都合の良い温度がキープできるものを選択されると良いと思います。
※ただし、赤ちゃんの粉ミルクは安全上殺菌処理のため、1度沸騰させたお湯で70度以上の温度で溶かすようにとWHO(世界保健機関)で発表されていますので、「10時間/76℃以上」というような高温をキープできるものを選ばれると良いでしょう。
また、いちいち沸かすためにキッチンに行くのは面倒、という方もいるかと思いますので、そういった方にも魔法瓶・保温ポットはおすすめです。
例えば「室温20℃時 保温効力 24時間62℃以上/10時間76℃以上」と記載があった場合、おおよその計算ですが「(100℃−76℃)÷10時間」=2.4℃ づつ下がると考えて、ポットにお湯を移してから5時間後でも90℃前後の温度がキープできている計算になりますので、コーヒー、日本茶などは十分おいしくいただけます。(魔法瓶・保温ポットの性能によりますので、ぜひよくお確かめください。)
カップラーメンなどは、温度が高い方が調理しやすいので、その時はがんばってやかんで沸かしましょう。
使う節電
省エネタイプのポットに変える
自宅で仕事をされている、来客が多いなど席が外しづらい状況の場合、または赤ちゃん、小さな子供、ご老人がいる家庭であれば、安全上電気ポットを使わないという選択は難しいかもしれません。
そういう場合で、ポットで節電を考えたいのであれば、いちばん効率のいいのは最近の省エネタイプの電気ポットに買い替える事かと思います。
最近の電気ポットは、省エネモードが設定されていたり、魔法瓶が内蔵されていて電気を使わずに保温ができたり、使わない時間をタイマーで設定でき、ヒーターを自動的にオフにできたりするものが増えてきていますので、古いタイプの電気ポットと比べると約半分程度の消費電力ですむものもあります。
省エネ対応と書いてあっても思ったほどでもないものもありますので、購入時には仕様で消費電力などをよく比較されるといいのではないかと思います。
デメリットとしては、省エネ機能付きの電気ポットは比較的値段は高めです。
使わないときにはコンセントから抜く
電気ポットで大きく電力を消費しているのは保温を維持する為の電力です。外出時、就寝前にはコンセントから抜いておきましょう。
保温機能を停止しても、窓のデジタル表示など待機電力を使っています。
水は満タンにしない
消費する電力は、ポットの入っている水の量でもかわってきます。
満タンにしてしまうと、温度が下がったとき、沸騰するときに大きく電力を消費します。
ポットの水は、2-3回使う程度の量をキープしておいた方が節電になります。その際、できればやかんで沸かしたお湯をポットに移し替えると、沸かす電力を抑える事ができ、節電になります。
保温の温度は低音にする
温度設定を高めにすると、保温する電力もそれだけ消耗しますし、その設定にする為の沸かし直しも頻繁に行われます。
できれば、普段の設定は低めにし、使うときだけ沸騰させる方が節電できます。
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